2015年9月18日金曜日

7 : 東京のはなし : The story about Tokyo





東京の夢を見ることがたまにある


東京と私が長い暗い地下へ行くエレベーターに乗ってどこかの駐車場に向かってる
そのエレベーターの中で駐車場につくまでのあいだわたしたちはずっとキスをしてる

ここまで読んだ人は、東京のことを男だと思ってるかもしれないけど、

東京はほんとは女です。

東京は背が高くて手足が長くて動物みたいな目をしている。
一度渋谷の大通りを四つん這いで暴れ回る東京を見たことがある。

あれはもう6年くらい前の
土曜日の夜の渋谷での事だった。 


(少し早口で読む

土曜の夜の渋谷は 
たくさんある大箱clubのせいであり得ない程たくさんの人が まだまだ入ってきて 
終電終わりでもまだまだ入ってくる 

その中のたくさんのひとがもう酔っぱらっていて、
お金も寝るとこも友達もおなか減ったのも自分の行く末もまーなんとかなるだろーになっていて 

大勢でいることでみんなの気持ちはちょっとずつバカになり
みんなの・考える・がちょっとずつちょっとずつ空中に抜けっていって 
多分土曜の夜の渋谷上空をちょっと遠くから見れば(青山の高層マンションとかから)
光の上に熱い湯気のように上気したみんなの考える力が無駄に浮いて


それが光を反射して、ふわ~と光って見えるの? 


そんなワープな空間を引き裂くように、東京が四つん這いで 
109の通りを駆け抜けて、
捕まえようとする山くん(友達)に噛み付いて、 
困り顔のわたしにどうでっもいいて顔しやがってよー(日本語)と 悪態をついて、
えーどうしてそんなことになるのー 

噛む(bite)てことを獲得した東京は、それはまるで人類の進化 みたい
次は道具だったらやだなー誰も殺さないで・
とか思ってると私も噛まれる、 顔を、 
したらまわりのみんな(特に男子)がちょいちょい待てって、それはまじでまじで、みたいな、顔はやっぱだめらしい。 


うーんどうしたらいいの??
ハチ公前で仰向けになって
「つまんないよーもうつまんないよー」
といってる東京になにもできない自分はほんとになにもできないように感じる 
明らかにあの時
渋谷の湯気は立ったままだったけど
私の時間は 
東京の体に集約されて、目がはなせなかった 

今まで東京のこういった奇行をなんとなーく流してきたけど、 
ちょっと調査してグラフとかにしてみたら、
(生理の周期や月の満ち欠けと対比したり)

もしかしたら人類の大きな秘密や
地球の危機の回避に繋がるかもしれない、、とちょっと思い始めた。 

あれただ甘えてるだけだからと言う人も多くいるがほんとにそうなのか、、 
地球上にいるただひとつのヒト型個体であるだけの東京が、 
ここまでエネルギーを発散すれば
なにか地球の未来に影響している気もする。

私はわたしの中で 理解出来ないから こういうふうに考えてみてるだけなのかな? 

ひとつわかることは
そのとき自分じゃない人を自分のように見つめてしまって
周りの世界が一瞬ほんとうにどうでもよくなったという事。

「どうして泣くの?」 
「勝手じゃね?」 

という言葉に最近胸打たれた事。 

つまりはまたわたしは少し傷ついた  
けれど傷つきっぱなしじゃなく、 
考えようとしているという事。 

あとは 
All i wantということば。それは70年代の古いフォークソングで、
日本語で言えば

(早口ここまで)



「わたしのほしい全て」


***


わたしはいままだ旅の途中で
誰もいない道でひとりぼっち歩いているところで
その結果いったいどうなるのか
どこへいけるのか
誰に会えるのか
それ自体を探しているようなかんじ



あなたのことはちょっと苦手だしあんま好きじゃないところもあるんだけど
好きなところもたくさんあって
でももしも自分の気持ちなんか全部忘れることができるなら

ほんとうはわたしはあなたのこと愛してると思う。

話しがしたい
髪を洗ってあげたい
あとセーターを編んであげたい
いつでもなんどでも新しくしてあげたい


できればもっと強くなって
なんか問題があっても
いやいやいや!とかいって
でもすごい!今すごいいいー!とか
そういうのもちゃんと
見逃さず
なんてゆーかもっと大胆に繊細に生きてみたい。


どこの街にでもありそうだけどどこにもないような古ぼけた最新のbar
タイツがびりっびりになるくらい
踊って
飲んで
暴れたい

だから
わたしと踊りたいとは思わない?
わたしと死ぬほど甘い恋をしたいとはおもわない?

ほんとはいつでもいますぐ
ここにいてほしいっておもってるの



*************************************


<サクラの開花のメカニズムについて>

サクラは
春に花が散ったあと、
夏から秋にかけて気温の高いうちに
花芽(生長すると花となる芽)を
作ります。

冬が始まると休眠に入り、
生長は一旦止まりますが、
さらに気温が下がり真冬になると、
厳しい寒さが目覚ましとなり、
それから気温が上がるにつれて一気に生長し、
つぼみがふくらんで花が咲きます。

これを休眠打破といいます。

サクラには、
一定期間低温にさらされた後に暖かくならないと、
花が咲かない性質が
あるわけです。



東京は春生まれだ。
桜の開花と一緒に年をとる。
冬の寒さがいちばん厳しくなった2月中旬あたりからやけに敏感になりはじめ、
街中のひとがさむいさむいと顔をしかめる中東京だけはにやにやしはじめる。
この寒さの奥のほうに春が、隠れているのを東京はしっている。

「天国にー電話がつながった人がいてー
で天国の人にそこどんな?ってきいたらー

Here is summer! Always summer!

て言われたんだってー」

と言って常夏の街バンコクに引っ越して行った東京だったが、
1年もたつと「暑いの飽きたわー」と言いだした。


春になると桜が恋しくて何癖つけて帰ってくるようになって、
そのうちに東京がかえってくると春がくるような感じになった。


ある春先の終電の満員の山手線の車内で突然東京に
「ずっとミューズだとおもってたよ」
と言われた
「でもミューズがいないと何もできないようには、なりたくないんだー」
と突然のお別れ宣言をされて、
そのときは、ああそうだねよくわかるよ、なんて適当なことを言ったんだけど、
そのあとすぐじゃーねーと高田馬場あたりで東京が降りた後、
心の中でなんどもそれを忘れないように思い出していた
誰かからそんなことを言われる事があるとしたら


それは東京
東京
わたしの東京からだ。








もっとわかいとき
いつもわたしは東京に傷つけられてよく泣いていた
そのときはそれがどうしてなのかわからなくてわたしはいつも泣くしかなかったんだけど
わたしが東京にいつもふりまわされるのは本当はいつも東京のせいじゃなくて
いつも東京を愛しすぎてる
わたしのせいだった。















2014年3月8日土曜日

6 : melancholicな元カレのはなし : The story about melancholic ex boyfriend





最近わたしは趣味で、ネット上に転がっている動物や人間の赤ちゃんがうんちをしている動画と、
同じようにネット上に転がっているキスシーンの動画をつなぎ合わせて

新感覚な芸術的ムービーを作成中である。

今のところ3分くらいの長さになったこのムービーを友達のひっちゃんに見せたら、

うつ病なのか?

と質問された。




是非これをベートーベンの運命(交響曲第5 ハ短調 作品67)の長さまでつくりあげて、
この曲のミュージックビデオとしたいのだが、
35分間もあると知って
あきらめそうになっている。


なぜこのムービーをつくろうと思ったかというと、
4年前の真夏にイタリアの田舎街のサンタカンジェロというところのプールで、
隣の席に座る赤ちゃんのおしりからうんちが出る瞬間を見たことがきっかけだった。



サンタカンジェロに初めて行った夏、ものすごい暑さのイタリアの夏に
なぜかわたしは世田谷の裏路地を感じていた。
(多分蝉がないてたせい)


そこでは昼間街のプールであかちゃんがうんちをする瞬間をみたり、
夜には金色に輝く広場に、うようよと集まるイタリアっこたちと
ワインを飲みまくったりしていた。


金色の広場を眺めながら、こんな場所出身の恋人がいたらいいかもしれないな〜なんて思っていたら
その数日後パーティーでその場所出身の男の子と出会って、
数カ月後の冬には彼と恋に落ちて付き合うことになる。



当時彼から来たメールを翻訳


だってイタリアの全部どこだって、ぼくたちはいかなきゃいけないんだよ!!!
全部一緒に行くよ!!!
クリスマスは親戚みんなが来るパーティーがあるし、しかも誰も英語話せないんだよ!!!
あと大晦日には、700人ひとがくるパーティーがあるんだよ!!行かないと!!!



というわけで私はその年の冬までに貯めたちょっとのお金を全部はたいて
1人で1ヶ月彼の国に行くことに決めた。


その恋が20代最後の大恋愛になると信じていたからだ。



彼の名前は英語読みで、ユージという。
かわいいtenderな呼び方だからそうよんでいいんだよと言われた
ひとりで夜自分の部屋でmelancholicな音楽をきいてmelancholicな気分になって泣くのが好き。
非生産的な感情を愛するヨーロピアンボーイで若いときはEmoだったから
背中に大きな羽のタトゥーを入れたかったけど入れなくてほんとに良かったとぶるぶる震えてた。
ナイーブだけど変わったことが好きな男の子。


イタリアの南の方にサルディーニャ島という島があって、
そこには昔からその島に住んでいる人たちがまわりの国々とは違う独特の文化を持っている。
ものすごい腐り方をして虫がわいたこの世のものとは思えないほどおいしいチーズを、
虫ごと食べる習慣があって、
今では危険なので法律で禁止されているのに
みんなマフィアと闇取引してそのチーズを高値で売買するそうだ。
ユージのお母さんはその島の出身で、だから彼の眼も髪も濃い黒で顔だちもすこし土着的だった。


例えば遠く地球の裏側にいる誰かと思いを通わせたいとか、
火星にいるかもしれない異星人だけど自分とうり二つの生命体に会ってみたいという
人類が始まってからずっと人間が思い続けているプリミティブな願いを私も持っていて、 


彼の眼の色や髪の色や、好きな音楽やこどものときみていた映画が同じだったこと、
ふたりとも母国語じゃない言葉でバカみたいなことばかり言い合える時間が
わたしのそのプリミティブな願いを満たして、

そのときのわたしは彼と一生世界中を回ろうと勝手に決意して、
彼の子どもを産むことに決めてしまっていた。





一度、どうしてそんなにぼくのことがいいの?ぼくたちどうしていったらいいんだろう?てきかれたことがある。


その時わたしは、わたしは目の前にあなたがいて、その小さな頭と心で一生懸命未来のことを考えてるあなたを見てると、たまらなく愛しくなって、この人が未来のことを一生懸命考えているのを、まだまだできるだけ長く、近くで見ていたい、って思うの・


と本当に心から言ったことがある。
我ながらなんて愛のある言葉だったんだろう。






わたしに新しいボーイフレンドができたことを元カレにJRのホームからスカイプで伝えてみた、
そうしたら、



電車の行く音・JRのあかるいへんな発信音・車の喧噪・悪い電波のせいでとぎれとぎれの声

ラブリーな東京から伝えられてくるのは自分への愛のメッセージではなく・


そのことはぼくをてっっていてきにmelancholicにおとしめた。


いまはぼくは冬のベルリンにいて・
毎日は大雪にすっかり包まれて・
冬のヨーロッパの中心地に閉じ込められたみたいだ・

ぼくのかわいい元カノは東京生まれの東京育ち
月から来たエイリアンのような女の子だった・
彼女の新しいボーイフレンドにはぼくはまだあったことはないけど、
若くてちょっと、ワイルドなタイプらしい。



僕の知ってる日本語


ゲンキ  ゴメンネ  マタネ  アリガトウ  ドウゾドウゾ  クソ  バカブスウッソ くらい


バカブスウッソ ドウゾドウゾ クソ! 
マタネ アリガトウ ゴメンネ 
ゲンキ! ゲンキ! ゲンキ!


ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ

ゴメンネ








彼がゴメンネを50回くらい心から言ってくれたら、
全部ぜんぶなかったことにして、みんなの批判もひとを傷つけることも全部うけとめて 
もういっかいなんとかできないかしら、

なんて考える時が、クッキーと暮らしだしてからもほんとうはときどきまだあった。 


そのときいつも、自分の行動とほしかったことと希望と欲望と状況いろいろ思い出して、 
別にじぶんがえらんでこうなったというものでもなく・いろいろなことが絡み合っての結果なんだから、



彼が50回(すくな!)ゴメンネを言ったからどうなるという問題ではないのに、と思い直した。






20433月の東京はまだまだ肌寒くて、まだ雪が降る日もある。

わたしは薄い紫の薄手のニットがほしい
体にぴたっとくっつくようなセクシーだけどあったかいやつ


もしも今度の日曜日にやるの女体盛りのバイトでお金がもうかったら買おうかな


そして髪を明るい茶色にそめて、パーマもかけたい
ちょっとセクシーな感じにしたい!


もう寝よう!だけど寝る前にいつも
たとえば昨日の夜の寝る前のことを思い出す
わたしたちはまだ一緒にねるのもそんなになれてなくて、
まだ違和感があるんだけど
ずいぶん一緒にねてる
でもいくら一緒に寝ても
特にわかることなんてないのに不思議


わたしはずいぶん年をとったけど、でもまだずいぶん不完全だし
寝る前と明け方はずいぶん不安定だ






2041年の時点で世界の人口は100億人に達したらしい。

そんなにたくさんの人間がいる中で、
好きな人を2人にしぼれただけ偉業だと、

東京はチャットで誉めてくれた。